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我がロイヤルウエディングは来世へ持ち越し当確。そん時はみんな参列してくれよな(👈悟空)!

夏休み宿題の定番・読書感想文

もう9月って事は、今年も残り4ヶ月…!?!軽くめまいがします。

学生時代、長い夏休みを一体どうやって過ごしていたのか今となっては見当もつきません。自由に遊び過ぎて完全に昼夜逆転していたことと、日焼けしたいが一心で、電車でも海だプールだと西へ東へ行脚したこと、9月になった瞬間、夏服にブーツを合わせて街へ繰り出していた…という、今になって思えばまさしく狂気の沙汰だったこと。

一応学生の身分でしたので、憂鬱な宿題/レポートの類もわんさか。その中でも一番わたしが苦にならなかったのが、読書感想文でした。たしか”星の王子さま”と”蜘蛛の糸”を読んだ年は国語の先生にほめて頂いた事もうっすらと記憶しております。何せ他で褒められる事などなかったものでね!

日々の通勤のお供、ひとを待つちょっとした時間…手元に本がないと落ち着きません。本を忘れたらどこかで文庫本を買ってしまうほど。

基本的には小説・エッセイ、ジャンル問わず何でも読みますが小説で特に好きなのが忍者もの・各種スパイもの。きっと生活にドラマを求めているのでしょうね…。

忍者小説における最高峰を何かひとつ、と問われたらわたしの場合、”梟の城”by司馬遼太郎先生。 

梟の城 (新潮文庫)

梟の城 (新潮文庫)

 

今初めてamazonレビューもざっと目を通してみましたが、昭和34年(!!)発売の本だと知り仰天。これで直木賞を取った司馬遼太郎先生の出世作で、映画化もされているようですが、そんな情報はさほど必要ありません。読書が好きならばまずは読んでみて!と声を大にして薦めたい一冊。

何せこの本を読み始めると、わたしは自分が今置かれている日常から一瞬でトリップできるのです。自分が登場人物のすぐそば、たとえば人里離れた山の中の庵、乱世における城の中、どこかの屋敷の中…あたかもそこにいるような気すらなれます。山奥のシーンでは草の香り、月の光、風の音であったり、お城の中ではお香が焚かれていることも行間からありありと感じられるのがこの本です。

乱世における忍者という存在のあり方。戦国武将を”陽”とするならば、暗躍の限りを尽くした所で決して表には出て来ることなどない、いわば”陰”の存在としての理不尽さ。子供のころから忍者として己の心までも殺すように鍛錬しているのに、その心すらもうつろう人間の性。主人公・葛籠重蔵(器の大きさと緻密な仕事っぷりの男前。まさにMY DREAM GUY♡!)と敵側の女忍者のラブストーリー感もある所が特に好きです。

主人公のライバル(っていうんでしょうかね)の存在もいい感じ。特に摩利支天洞玄が非常にイケてます(我ながらこのボキャときたら…)。

すでに映画の実写化もしているようですが、もし再びするようならばわたしのような原作ファンだけでなく、エキゾチックな世界観で海外の人にとってもたまらないんじゃないかなーと。でもいったい誰がこの主役張れるだろう。前回は中井貴一だったのか…小栗旬とかキャスティングしないでほしいなぁ。かと言って線が細く背が小さい俳優さんだとイメージ違うし…。あ、小萩(※前述・敵側の女忍者)はわたしがやりますんで♡何か?!と寝言のひとつやふたつ真顔でカマしたくなるほどこの物語を愛しています。

家族から放たれる『HIPHOP爆音で聴きながらよく時代小説読めたもんだねっ』などのイヤミもどこ吹く風。これから先も何度も読み返すに違いない大好きな物語なのです。