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我がロイヤルウエディングは来世へ持ち越し当確。そん時はみんな参列してくれよな(👈悟空)!

柄にもなく読書の秋で落涙

何かっちゃーイライラ、何かっちゃークサクサしがちな今日この頃(あ、わたしだけ…微笑)。

特に毎日の大半を費やす職務への意欲ときたら、底辺以下を低空飛行の一途をたどるばかり。せめてニュートラルな心境で働きたいものだよ…と己の未熟さを棚上げしつつ日々やり過ごしております。

そんなある日。通勤そして入浴中のお供には文庫本&コントレックスが必須なのですが、たまたま目にしたこちらの本を購入:

books.bunshun.jp書店の店頭で手に取って、目次をパラパラと眺めると…この本が書かれた当時の帝国ホテル支配人の方から、バーテンダーの方から、パティシエまで…帝国ホテルという建物の随所随所で働いている方々のインタビュー本だったのです。

特に最初の総支配人の方のインタビュー章のタイトル”将来の夢は、帝国ホテルの総支配人でした”との文字が並んでおり、”…なんですって…?!?”と脳天撃ち抜かれまして、即・購入。

通勤電車で読み進めると、おそらく現在はご勇退なさっているであろう、30-40年程前に働き始めた彼ら彼女らのひとりひとりに共通して、その根底を流れていたことがすぐに感じ取れました。

それは仕事に対する誇り。むろん働く場所の影響もありましょうが、自分以外の誰かの目線になって、たえず俯瞰で仕事をしているのです。その姿勢、職人と称しても齟齬はあるまいよ。

かたや自分自身ときたらどうなのでしょう。今現在、自分が身を置いている環境を思うと久し振りに心の底から情けなくなりました。

ヤッツケ仕事とは良く言ったもので、”あんな人間性の持ち主に頭下げる気なんかこれっぽっちもねーわ!あまりにもナメたマネしてくれんなら覚悟しな!”って内心思っているから(あ、ダダ漏れ説あり…)、要領良く目の前にあるタスクを粛々と完璧にこなすだけ。

多岐にわたってとっぽめな中年男女の存在意義には今も昔も、とうの昔に自らも中年になった今日となっても疑問符なので、まぁあちら様も感じるものはありましょうや。お互いに最低限のマナーすらあるのかどうか。

…で、皆が揃いに揃って自分が!自分が!と目先の損得と、いかに己が楽する事ばかり。はあぁ。

1年365日。日々が積み重なってゆくわけではなく、当然多少のイレギュラーな事はあったとしても、1日が終わるたびゲーム機のようにリセットボタンが押され、またイチから繰り返されているだけのように思えて仕方ないのです。これまで時折は感じていた、己の血肉になっている実感が近頃のわたしにはどうしても感じられない。

…そこに空から降って来たのがこちらの本。

わたしは仕事の場面で一体いつ、どんな場面で本気になったのが最後だったのでしょう。

誰かに『あなたは何のプロフェッショナルですか?』『あなたは何でご飯を食べているのですか?』と問われたら、何と答えるのでしょう。考えただけでもう絶句。

本来そんな本では毛頭ないのにもかかわらず、打ちのめされました。通勤電車でうっかり落涙です。それをホルモンバランスの乱降下のせいだと口にした家族…!許しませんよ。

世のサラリーマン諸兄が、日曜夜の池井戸潤劇場(※正式名称は謎ですが、そうとしか喩えようがなかった)を見て、翌朝からのモチベーションをちょっとでもUPさせていたように、予期せぬわたしにとってのカンフル剤がわりになった一冊でした。

いやいや、カンフル剤にしちゃー激烈過ぎてむしろ下剤かも(笑)。念の為ですが、本当に穏やかで温かなご本なんですよ、イチ読者のとらえ方がこんな調子なだけで(笑)!