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我がロイヤルウエディングは来世へ持ち越し当確。そん時はみんな参列してくれよな(👈悟空)!

なんで今この映画チョイスしたのか謎すぎ

我ながら一体全体なぜなのかは謎!ですが、”久々にあの映画観たい…!”と思うやいなや、即観たのが”ブラックホーク・ダウン”。

ブラックホーク・ダウン (字幕版)

ブラックホーク・ダウン (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

1993年のソマリア内戦に軍事介入したアメリカ軍の大幅な誤算から、激しい市街戦に突入を余儀なくされた様子の映画です。数年前に観たことがあったものの、細かなディテイルはほぼ忘却の彼方。

話はそれますが、映画は”ロード・オブ・ザ・リング”のようにどこまでも異世界へと誘ってくれるようなお話か、実話に基づく、あるいはどこまでもそれに近しいと実感できる映画が個人的な好みです。ゆえにこの手の戦争映画をわりと観ている方かもしれません。今まで最も『WTF…!!』と映画に登場する兵士よろしく嘆きたくなるほどに打ちのめされたのは、わたしの場合”アメリカン・スナイパー”でした: 

アメリカン・スナイパー(字幕版)

アメリカン・スナイパー(字幕版)

  • 発売日: 2015/06/10
  • メディア: Prime Video
 

マイラブ♡ブラッドリー・クーパーがどこからどう見てもミリタリーの一般人、狙撃手にしか見えない演技と、せっかく死地から命あって戻って来れたってのにラストこれかい!?!?!という帰還しても終わってなどいなかった、それが戦争であるよ…的、心底救いようのないエンディング。とどめにエンドロール、実際の映像!映画館でただただ嗚咽しましたっけ。

それほど涙、涙…のエンドロール中だってのに、近くの席でおもむろに携帯スイッチオンにした高齢女性。わたくし号泣しつつスクリーンの方を向いたまま、ポップコーンが入っていた箱をノールックで投げつけてやろうかと思ったことまで鮮明に覚えております。場所が場所ならば、わたし自らがうっかりジャパニーズ・スナイパーと化しそうでしたから。命拾いしたよな、あのBBAめ…(両目に怒りの炎)!

…おっと話を”ブラックホーク・ダウン”に戻します。わりと昔の映画なので、さんざんレビューが世界中で語られていることでしょうからここでは割愛。今のわたしの感想を:

当初『俺らエリート部隊っす、30分で任務終了だっつーの♪さくっと出動してくっか♬』と余裕カマしてたのに”そうは問屋が卸しませんて!”とばかりにソマリア民兵も地元で迎撃。泥沼の市街戦になってしまった…という読みの甘さに驚愕よ。

世の中、物事は多面体でできていると信じている者としては、アメリカや国連が介入してきて戦場と化したソマリア側の目線も知りたいところではあります。しかし近代における戦争でもこんな初歩の初歩と言ったら語弊があるかもしれませんが、ストラテジー自体が大幅にミスるなんてことあるのね…。っていうか、アメリカはそれ以降も前述の”アメリカン・スナイパー”のお話にも続く通り、ずーっと戦争してるような気もいたしますね。

身近に職業軍人がいないので”うわ…デルタフォースってメンタルまで鋼…!”とか”レンジャーもプライドがすごいんだね…”だとか、そのぐらいの感嘆コメントしか絞り出せやしません。が、この死地を運よく潜り抜けられたというのに、次の赴任先=別の戦場で命を落としたひとが実在すると知り”果たしてご家族や親御さんは一体どんなお気持ちになったのだ…?”と、我が子はいない身ながらも母親目線になりました。

自分が親族だったら『ええ、彼は職務を全うしたので誇りです』とか気丈に言えるのかしら。うーん、否だろう…取り乱しまくって『司令官呼んで来んかい!』とか叫びかねない気がします。それこそ狂犬のごとく、誰彼構わず八つ当たりしまくる自信すらある。

命を落とさないまでも、PTSDに苦しめられているひとたちが北米大陸には沢山いることでしょう。世の中には知らされていないけれど、わたしたちが予想しているよりはるかに多くの数のひとたちが苦しんでいるはずだと確信。だって生きながら地獄に足を踏み入れてしまって、肉体こそギリギリのところで間一髪・助かったものの、そこに自分の魂を落としたまま脱出してきたんだもの。肉体はあるけれど、肝心な魂がそこに入っていないんだよ。

…そんなふうに思いながら眠りにつき、今朝は大雨の音で目覚めて、学生時代のクラスメイトが『わたしがアメリカでホームステイしてた家のお兄さんは戦地から戻ってきた後PTSDで、雨の音聞くとそこが戦場になっちゃうの。だから家族とわたしたちは凶器になりそうなものを鍵かけて隠してたんだよねー』と話していたことを思い出しました。

当時はわけもわからず『うっわー!んなカオスな家庭は日本からのホームステイとか受け入れんなよ!』とかクラスの笑い話に近い話題だったのですが、年齢を重ねた後でこの手の映画を観た後だと、あらためて思うところが。

彼らのようなひとたちの魂を少しでも取り戻せる方法は果たしてあるのかな、と大雨の窓の外を見ながらいつになくしんみり考える日曜日です。