SO WHATブログ

我がロイヤルウエディングは来世へ持ち越し当確。そん時はみんな参列してくれよな(👈悟空)!

SO WHATな読書ダイアリー・2020年冬の巻

うっかり大型書店の前など通りかかるともうダメですわ…なんとかホイホイよろしく、吸い寄せられてしまうのです。そんな久々の本屋さんはワンダーランド\(^o^)/だったよー♬

ってだいぶ浮かれまくった気分のまま、普段は読まないジャンルの文庫も珍しく購入したのでここに記しておきたく存じます:

◆”ミルク・アンド・ハニー”:村山由佳

ミルク・アンド・ハニー (文春文庫)

ミルク・アンド・ハニー (文春文庫)

 

読み始めて”あらららら?”登場人物の設定に途中から既視感が…そうです、数年前に世の男性諸氏、特に中年以降の諸兄を毎週釘付けにしていた”ダブル・ファンタジー”の続編だったとはね。

こちらの長編小説の大半もその手の諸兄ゴクリ的・ピンク色のご期待こそ裏切りません。主に色恋枕、切った張ったばりのすったもんだ連発が物語の軸ですから(ええそりゃ当然、本来のテーマである主人公の真の自立とか愛などもちろんありましてよ!なのですが、いやぁあまりにもあまりにも…!)。おそらく村山先生は文藝春秋社の編集者さんと出会う前後に、作風だけでなくご自身の人生においても大胆に新境地への舵を取られたのでしょうね。わたくしなど、読めども読めども”仕事はちゃんとして賞も取れるような主人公の女性が、一体全体どうしてこんなに男には自分の主張をせず、出会う男出会う男をつけ上がらせまくるのだ?!”、”なのに異性絡みはアドベンチャー気質…うーん、厳しい母親から受けた躾のせいだけなワケッ?!”と解せずにイライラしまくり。色恋枕うんぬんよりもまず彼女は要セラピー!セクシャルな冒険などそれからだっつーの!と激イラつきまくっておりました。サーセン

あっ、そのセラピー自体がセクシャルな経験、なのだとも重々わかっているのですが。それにしちゃー外野が巻き込まれすぎだわ、はぁぁぁあああ(深ーい溜息と共に吸引力にひれ伏す)。

特に”UZEEEEEーーー”って正直読むのやめようかぐらい思ったのが前作にも出てきた演出家のおやじさん。『まーたおめぇはチョロチョロ出て来んのかよっヒヒジジイ!』ってウッカリお品のかけらなどゼロ以下な言語化しちゃいましたものね。同衾中にまで権威を振りかざすのとかね、そういう趣味を同じくした相手とのプレイ以外ならば自重しとけっつーんだよ。シルバー世代が肩書ちらつかせながら同衾の画だとか、控えめに申し上げてキモすぎなんすよね。ヤツが主人公に送り付ける謎メールの署名ひとつ取ってみても”うっわさっむ!どこまでもセンスねーなジジイまじダッセー!キモッ!”って一周回って吹き出してました。いっけない、一応架空の人物なのに罵詈雑言だらけで重ね重ねサーセン

だけど、物語の途中にブッ込んでくる主人公とご新規・お相手とのメールのやり取りの箇所も正直なかなかの香ばしさでして、数回ほど、両目と本そのものを閉じて深呼吸を必要といたしました。”これ…マジ!?正気の沙汰すか?!”って後ずさりつつ何とか読み進めたのもまた事実。そりゃあ前述のヒヒ爺とも致しちゃうわけだよなー。ヨタ話はいーからさ、大人なんだから単にやりたい事を黙ってやりゃあいいのに。実際結構なアドベンチャー気質でその手の体験を実地になさっておきながら、なんでこう、ごくごくシンプルな事にかぎって自ら複雑にさせるのかしらん。各種パートナーは自分の鏡だとも言われることですし、うーん、この主人公にしてこの脇役陣なのかも。

最後の最後は死と引き換えに愛を…的なメタファーで。性愛の極致、すなわち生きる事と死ぬ事とはかねてより言われるもんです。良かったねぇ、うまくまとまったもんだわ大団円大団円…と一応思いつつも”あらら?キリン先輩どこ行った…?”と、ようやく真実の(性)愛を見つけられた主人公に数年間さんざんご奉仕なさってたであろう、脇役のひとりには軽い同情(謎過ぎよ本当に!笑)。

ま、ひとって幸せな時は外野なんて正直知ったこっちゃないですから、そんなものよね。この手の本能直結の欲望という巨大な怪物を、己の身体の内側に隠しているひとは日々がさぞ難儀でありましょうや。

※どうにか読了後、これは村山先生ご本人の経験に基づく私小説にごく近い説を目にし、もしもそうならばなんつー業の深さであることよ…!事実は小説よりも奇なり、は決して誇張ではない!という事にあらためて気付き、新たなる戦慄。 ああ、自分が凡人で本当に良かった…!安堵すらさせられた程のインパクトでしたっけ…。

◆”ノーマンズ・ランド”:誉田哲也 

待ってましたよ姫川玲子シリーズ!何をどうやったって、誰が何と言おうとも、この物語の主人公は竹内結子さんなんです。そして菊田は西島秀俊、ガンテツは武田鉄矢、と。誰が何と言おうとも、わたしの中では永久なる確定事項です。数か月前に報道された非常に驚く悲しいニュースを目にした後、初の姫川班シリーズの読書を経て、その気持ちを新たにしました。

ガンテツから常々漂う後ろ暗さのエピソードも面白かったなぁ。決して最初から曲者だったわけではなくて、自らの意志とは関係なく、むしろ刑事としての優秀さが頭ひとつズバ抜けてたことがきっかけで、ダークサイド底なし沼に引っ張り込まれた真の意味での怖さよ。その底なし沼から、検事という新たな登場人物もぬーっと現れたことですし、続編もスピンアウトも楽しみ♪♪

◆”三太のLAライフ”:井上三太  

三太のLAライフ (MeDu COMICS)

三太のLAライフ (MeDu COMICS)

 

ダブル井上先生のおひとりこと井上三太先生\(^o^)/わたしゃサイン会に参加しておりますゆえ(自慢♡)、大ファンなのはもちろんのこと、超勝手ながら親近感♡ 

lab619.hatenablog.com

最後にサイン会でお目にかかった数年前、先生はすでにLA移住直後だったのです。その時、なんとサインをした後も少しお話してくださり(しかもごくごくありふれたOL的いでたちの相手にごりっごりのLA下ネタ事情だったのですよ?やっぱりマンガ家は即座に相手の属性を見抜くのか…?いやー超楽しかったです!爆)、いいなー移住!と思っていたので取り寄せてまで購入。 

…他にも浅田次郎先生の長編小説とか、向田邦子エッセイとか、趣味のジャンルこと健康モノやら星占いやら、バラエティに富んだっつーか脳内ビッグバン!的カオス感がレジの書店員さんにイヤでも伝わってしまうような、大層散らかりまくった大量購入をいたしました。

と、ブレイキングニュース。まもなく林真理子先生の文庫が出るそうです。日経新聞連載時、当時の男性上司(初老)が出社するやいなや朝のご挨拶もそこそこに『アラフォーさん…日経読んでる?林真理子の小説…!今朝から大変だよ!これは失楽園以来だよ!』とかフーフーさせながら頬を紅潮させた満面の笑みで仰ったのです。”あらまぁ、見事にファンタジーを掻き立てられちゃって…毎朝の楽しみができてそりゃ良かった事ですね”とさんざん笑っていたご著書です。少なくとも前述の村山先生作品よりはエンタメ性もありそうだわね、と未読のわたしは予想しております。はい。

…これらの読みたい本リストに加え、友人Kたそから北方謙三先生による三國志をズラリ一式借りているものの、あまりの長編大河っぷりにまだ読了できず返せずじまい…というorzこの年末年始に賭ける所存。

しっかしあれもこれも読みたいものが手を伸ばせば届く場所にあるって、あらためて何という幸福なのでしょう…!今となっちゃ一体何であの文庫買ったんだ…?なんて謎な気分にさせられたとて、それすらも、本屋さんへ足を運ぶことの楽しみなのです。