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我がロイヤルウエディングは来世へ持ち越し当確。そん時はみんな参列してくれよな(👈悟空)!

座席を譲ろうとも低打率

電車で座っている時、目の前にどこからどう見てもご高齢の方が乗って来られることがあります。

これまで内心”一体どうして優先席でもなく、決してドア付近の座席でもないこちらへといらっしゃるのだろう…?”、”わたしゃご高齢者マグネットだぁね”とすら思うぐらい、わが目の前をピンポイントで立たれるご高齢者・多発。こちらが徹夜明けなど序の口、たとえ生牡蠣に当たったと診断され、出社早々にとんぼ返りで早退中…という地獄絵図の帰り道であろうとも(※実話)目の前に立たれると人道的に譲るほか選択の余地がないような場面もかつてありました。

………ところが。

小さい頃から公共の交通機関では席を譲るように心がけてきたものの、結構な割合で『いいです』『結構です』と仰られるのです。8割は堅い、ほぼ9割近く(※当方調べ)。奇跡的な残り1割ちょいの場合は、譲ったこちらも恐縮しつつうれしくなるほど喜んでくださる…けれども、この尋常ならざる低打率は一体なにゆえかと…。

今でも鮮明に記憶しているエピソードが学生時代、山手線にてちょっと足取りも危ないようなご高齢の男性が目の前に。もちろん無言でスッと立ちます。

なのに…なのに…!『いや、いいっ!いいから座っててよっ!』………。表情は般若のごとく険しく、おまけに大声を張り上げ軽くキレモードな口調。これは一体どういう事?!

もしかしてこの方ってば、大変ご老齢に見えるものの武道のやんごとなき師範代で、ちょうど足腰鍛錬の修行真っ最中だったのか…?とあまりの衝撃によりテキトー極まりない事を考えつつ、はあそうですか、と素直に再び着席。

目の前にはお師匠さん(仮名)・直立不動…ながらも激しくヨロヨロしまくり。電車がわずかにガタゴト揺れるたびに横転しそうなほど。今のわたしであれば”あらまぁ、頑なにお座りにならずに体幹鍛えてらっしゃるのねぇ、ちょっとは見習わなくちゃ♡”などと涼しい顔でいられるものの(いやいや黙って遠くへ移動しましょうか)、ティーンネイジャーだった当時としては言われるがまま、そして軽く気まずさを抱えつつ降りる駅へと到着。

下車すべく腰を浮かせたその瞬間。一陣のつむじ風がわたしの横を舞いました。

まばたきをした直後、わが目を疑うティーンネイジャー(当時)。だってそこには、お師匠さん(仮名)がたった今までわたしが座っていた座席に鎮座なさっていたではありませんか…!

驚愕のあまり凝視しつつ電車を降りたものの、その心理状態がまるで理解できずひとり・混乱。”自分が年を取ったら周囲からの好意は素直に受ける方が、誰にとっても気持ち良く過ごせそうだなぁ…”としみじみ感じたものです。

その後も同じようなことが頻発し”うーん、ごくごく普通にしているつもりでいたけれど、もしや自分は良い事をしているのだ!というエゴがダダ漏れだったのではなかろうかねぇ…”と案じていたところ、たまたまこちらの本を読んでいて、まさにこのシチュエーションが記されていました。それがわが両目からウロコというか、もうまぶたごと落っこちそうになる衝撃でした: 

神さまと顧問契約を結ぶ方法

神さまと顧問契約を結ぶ方法

 

微に入り細に入りこちらで説明する事は避けますが、陰徳を積むという観点におけるベストアンサーは、よほど助けを必要とされない状況である限りは静かに立ち上がることなのだとか。声を掛けて譲るというのはその次点なのであるよ、と(ほほう…)。

それからはというもの、極力そのように心がけるようにしているわたし。だって陰徳貯金したいもん!ええ、どこまでもヨコシマ感たっぷりです。

…ちょうど昨日の夕方、超満員の通勤電車でのお話。

たまたま帰宅ラッシュ時の超満員電車に乗る必要に駆られ、気合いを入れて乗り込んだ電車がよりにもよって急行だったのです。短い区間とはいえ、尋常ならざる混みっぷりには心身ものすごいエネルギーを消費します。

そこへ、とあるターミナル駅から恰幅の良いご高齢の女性が人波をかき分け猛突進にてご乗車。ドア付近の手すり…というかそこから一番近くに座る若者男性の両膝に身を任せているようでした。この真夏に身体の線が細く顔色が青めなのが気になるものの、大変気の良さそうなその若者男性が『どうぞ』と自分の席を譲ったのです(青年グッジョブ!陰徳貯金では次点だけども!←いいから!笑)。

席を譲られたご高齢の女性はと言いますと…無言・会釈なし・堂々のご着席。

一瞬周囲に”!?!?!”と、空気が固まったのを確かに感じつつ、さらに空気が張り詰めたのは、ドッカリと鎮座なさったそのご高齢女性…おもむろにスマホを取り出し、Facebookをチェックし始めたのです。手馴れた感じで微笑まで浮かべる様ときたらまるで今日1日楽しかったデート帰り♡の女子高生のよう。いや全然スマホFacebookやLINEも駆使してらっしゃるのは大変素晴らしい!それ自体はいっこうに構わないのだが…若者に会釈ぐらいしたってバチなど当たるまいよ…!

”…おいおい…!”と、超満員で汗だく状態である周囲の乗客の心の叫びがわたしの驚きとあいまって車内にこだましている中、めでたく下車駅に到着したわたしは素直な高齢者になりたいものだなぁ…と思いつつ、”降りまーす”と声を掛けながら超満員電車を後にしたのでした。