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我がロイヤルウエディングは来世へ持ち越し当確。そん時はみんな参列してくれよな(👈悟空)!

どこかの区女子のなれの果て

時季的にぴったり!稲川淳二も軽くびっくり・現代のホラー話。

東京都は港区(←どうやらここがポイントなのだそうで…)を根城とし、夜な夜な出没する未婚女性・中年男性…という面白キャラにキャッチーな呼称がつけられてからしばらく経ちます。その文字列を目にした時や話題になる時にだけ、わたしは数人思い出すひとたちがいます。

特に印象的なひとりが、大昔の同僚だったとある女性。

わたしよりも5-6歳は年上で、色白・華奢・巻き髪・美人・おまけにメイクもお上手でファッションセンスも抜群!と女子アナもすなる華やかさ。艶やか過ぎて、コムスメだったわたしは”もしや銀座のお姉さん…?”と勘違いしかけた事すらありましたっけ。

尋常ならざる麗しさゆえに、社内外問わず飲み会には引っ張りだこ。時折部署の飲み会で一緒になった時の写真を友達に見せれば、男女共に既婚・未婚・職種問わず『このひとって一体何者ぉーっ?!』と、両目を♡にして聞かれていたような特殊枠の存在。

彼女は毎回、飲み会のスタート時間には必ず遅れてやって来て、一分の隙も無いいでたちで登場するやいなや、ワインやらシャンパンやら問答無用のボトルでガンガンオーダー。そのお姿は、下戸の自分にとって一周回ってお見事!としか言いようがなかったものです。これぞ港区女子のハシリと言っても間違いはないでしょう。

…そんなある日”アレレ?”、”おかしいなーおかしいなー”(←もちろん淳二によるあの口調でね!)と不思議に感じたのです。

まず、社交辞令でも謙遜でもなく、同じ会社のお給料相場の見当がつく者として、頭のてっぺんからつま先までとっんでもない額のお金がかかっているのが素人目にもわかる…ゆえに、誰かしらいらっしゃるであろう事は明白。なのに特定の彼氏の存在を見せない。『ステディなBFは公開しない主義なんすかー♪』と若かりし頃のわたしがカラッと問うてみるも『えー♡誰もいないのぉー♡誰かイイ人いない?ウフフ』と高級クラブのホステスさんもかくやのウェットなかわされっぷり。

”姐さん…それミステリアスじゃないっすよ!結婚したいならばリッチな殿方の影は完全に逆効果っす!”と盛大にツッコミをカマしたかったものの、なにぶん他人事ゆえ『そうなんすネー♪』と自重。

お次は、部署のお偉いさんやら、顧問の翁(←言い方…!)やら”今夜は絶対ごちそうになってしまう日だわね!”という時には、何かあらかじめ体裁の良い菓子折りを用意して向かおう!という流れになりました。それを当然彼女にも伝えると”えー小銭なーい”、”今度渡すねー”とのらりくらり。それを5セットほど繰り返した時点で彼女はその手の贈答劇からは除外扱いに(笑)。

また、女性特有の”この間どこどこ行って来たからお土産だよー”みたいなやり取りも、艶然と受け取りこそすれど、その逆は皆・無。

…これって、何も”こちらがお土産買って来たんだからよこしなさいよ”というお話では全くありません。もっと大局的なところで、ギブアンドテイクで言う前者が致命的に抜け落ちていたような印象を受けたのです。”自分のお金はビタ一文使わないわよ!”という強靭な意志すら感じられた。

物質面のそれだけでなく、人間関係も又然りだと当方信じておりますもので、”他人にもらってばかりのひと、自分ができる何らかの事をしないと…!”と若輩者は遠くから見つめておりましたっけ。

大昔、彼女が飲み会に降臨するだけで嬉しい!同じテーブルなら超ハッピー!と嬉々としていた当時のアラサ―男性陣も、今や堂々のOver50。そろそろリタイア後の話まで出ているお年頃に差し掛かって来て、公私ともに男盛りで貫録たっぷり。

かたやその彼女は…と言いますと、伝え聞いた話によれば未だに独身で同じような生活を続けながら、かの地に出没し続ける…という、ちょっとした現代におけるホラー。

自由気ままな独身生活を続けていることが問題なのではありません(それ言っちゃーわたしだって完全終了よ!)。軽く15年以上、変わらない立ち振る舞いをしている事にぞっとさせられたわけで。

男女問わず、誰だって若い頃はそれだけで甘やかされたりちやほやされるものです。大目に見てもらえる、と言った方が良いかもしれません。わたしも優しい先輩方からさんざん甘やかしてもらいました。そして現在、自分がかつてそうしてもらったように、若者は公私ともに大目に見まくっています(笑)。

”どこかでマインドセットのシフトチェンジをしておかないと、人生後半戦って結構難儀になりそうだわなぁ…”と自戒の念を込めつつ、かの区をスタスタ歩きながら考えていた真夏の一夜でした。ほろ酔いで楽しそうにタクシーを拾う華やかな女子の横を徒歩で移動しながら、ってのがオチでしょうかね。はい。